カトマンズの街を上から眺めると、地上を歩いているときとはまったく違う景色が広がります。
盆地いっぱいに建物が続き、その周囲を丘が囲んでいます。
そのカトマンズ盆地を見下ろす丘の上にあるのが、スワヤンブナートです。
白いストゥーパ。
四方を見つめるブッダの目。
金色の塔。
色とりどりの祈祷旗。
マニ車。
寺院。
そして猿。
海外では「モンキーテンプル」と呼ばれることもあります。
しかし、スワヤンブナートは単に猿を見る観光スポットではありません。
Nepal Tourism Boardは、カトマンズ中心部から西へ約3kmの丘に位置する、ネパールでも特に重要で古い仏教ストゥーパの一つとして紹介しています。仏教施設の中にヒンドゥー教の神々や寺院も存在し、宗教的な調和を感じられる場所です。
Nepal Tourism Board「Swayambhunath」
朝に訪れる理由
スワヤンブナートは一日中訪れることができますが、特におすすめしたいのが朝です。
昼間より気温が低く、比較的静かな時間に参拝者の姿を見ることができます。
マニ車を回す人。
数珠を手にする人。
灯明を捧げる人。
ストゥーパを周回する人。
旅行者が到着する前から、この場所では祈りの一日が始まっています。
世界遺産としての建築だけではなく、今も信仰されている場所であることがよく分かります。
丘へ続く石段
東側から向かう場合、急な石段を上って丘の上へ向かうルートがあります。
体力に余裕がある方にとっては、少しずつストゥーパへ近づいていく体験も印象的です。
一方で、無理に階段を登る必要はありません。
Nepal Tourism Boardは、丘の上近くまで車道でアクセスし、そこから短い距離を歩く方法も案内しています。
シニア旅行、小さなお子様との旅行、膝に不安がある方は、車で上部へ向かう方法がおすすめです。
ブッダの目
スワヤンブナートを象徴するものの一つが、ストゥーパの四方に描かれたブッダの目です。
どの方向から見てもこちらを見ているように感じられます。
白いストゥーパと金色の塔、ブッダの目、そして空へ広がる祈祷旗。
写真でもよく知られている景色ですが、実際に間近で見ると、その大きさと存在感をより感じることができます。
「スワヤンブ」という名前
Nepal Tourism Boardによると、「Swayambhu」は「self-existent」、つまり「自ら存在するもの」という意味に由来します。
伝説では、かつてカトマンズ盆地が湖だったころ、湖に咲いた蓮からスワヤンブが現れたとされています。
丘の上から盆地全体を眺めながらこの伝説を知ると、単なる展望台として見るのとは違った感覚になるかもしれません。
仏教とヒンドゥー教が共存する聖地
スワヤンブナートの興味深い点は、仏教だけの場所ではないことです。
Nepal Tourism Boardは、仏教のストゥーパ周辺にヒンドゥー教の寺院や神々も存在し、仏教徒とヒンドゥー教徒の双方が訪れる場所だと紹介しています。
日本人旅行者がネパールの宗教を理解するとき、「仏教」「ヒンドゥー教」と完全に別々に考えると分かりにくい場面があります。
長い歴史の中で、それぞれが影響し合いながら共存してきたからです。
スワヤンブナートは、その関係を感じやすい場所の一つです。
ストゥーパを時計回りに歩く
ストゥーパ周辺では、参拝者が時計回りに歩いています。
旅行者もその流れに合わせるのが自然です。
マニ車を回す場合も、周囲の人々と同じ方向に歩きながら静かに回してみてください。
逆方向へ歩いて写真を撮ったり、人の流れを止めたりしないようにしましょう。
カトマンズ盆地の景色
丘の上からはカトマンズ盆地を広く見渡せます。
密集した市街地。
盆地を囲む丘。
天候が良ければ遠くの山並み。
地上で旧市街を歩いているときには分からなかった都市の広がりを感じることができます。
旧市街と組み合わせる場合は、カトマンズ旧市街の朝を歩くも参考にしてください。
旧市街を地上から歩き、スワヤンブナートから盆地を見下ろすことで、カトマンズを二つの視点から楽しめます。
猿には注意
スワヤンブナートには多くの猿が暮らしています。
それが「モンキーテンプル」と呼ばれる理由の一つです。
猿はかわいらしく見えるかもしれませんが、野生動物です。
食べ物を与えない。
触ろうとしない。
近づいて自撮りしない。
バッグを開けたまま歩かない。
食べ物を手に持ったまま近づかない。
特に子ども連れの場合は注意しましょう。
写真撮影のマナー
朝のスワヤンブナートは、写真が好きな旅行者にとって魅力的です。
柔らかな光。
祈祷旗。
ストゥーパ。
丘からの景色。
しかし、祈っている人々を無断で近距離撮影することは避けましょう。
宗教施設では、良い写真を撮ることより、その場所で祈っている人々への敬意の方が大切です。
ボダナートとの違いを感じる
カトマンズの代表的な仏教聖地として、ボダナートもあります。
スワヤンブナートは丘の上にあり、カトマンズ盆地を見渡すことができます。
一方、ボダナートは巨大なストゥーパを中心に僧院やチベット文化が広がっています。
同じ一日に両方を見るよりも、時間がある場合はそれぞれ少し長めに滞在すると、違いがよく分かります。
ボダナートについては、ボダナートで一日を過ごすで詳しく紹介しています。
パシュパティナートまで巡るなら
仏教とヒンドゥー教の両方を一度の旅で理解したい方は、パシュパティナートも訪れてみてください。
ただし、火葬場や本堂の入場制限など、事前に知っておきたいマナーがあります。
訪問前にパシュパティナートを理解して訪れるを読んでおくと安心です。
7つの世界遺産を巡る旅
スワヤンブナートは、カトマンズ盆地にある7つのユネスコ世界遺産地区の一つです。3つのダルバール広場、スワヤンブナート、ボダナート、パシュパティナート、チャングナラヤンが「カトマンズの谷」として登録されています。
Paradise Himalayan Journeyのユネスコ世界遺産ツアーでは、これら7つの世界遺産エリアを4日間で巡ります。
日本人旅行者におすすめしたい理由
日本人にとって仏教は、まったく未知の宗教ではありません。
だからこそ、スワヤンブナートを訪れると興味深い発見があります。
同じ仏教でも、建築が違う。
祈り方が違う。
マニ車がある。
祈祷旗がある。
ヒンドゥー教の神々も同じ場所に存在する。
日本のお寺とはまったく異なる風景でありながら、静かに祈る人の姿にはどこか共通するものを感じるかもしれません。
写真を撮ってすぐ帰らない
スワヤンブナートへ到着すると、まず写真を撮りたくなります。
しかし、撮影が終わったら少しだけカメラを下ろしてみてください。
ストゥーパを一周する。
丘から街を見る。
祈祷旗が風に動く音を聞く。
マニ車の音を聞く。
参拝者を見る。
そうすることで、写真だけでは残らない記憶ができます。
Paradise Himalayan Journeyでは、世界遺産をできるだけ多く「チェックする」旅ではなく、その場所の歴史、信仰、人々の暮らしまで少しずつ感じられるネパール旅行をご提案しています。